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コピックとアートクラフト [クラフト]

Tooというメーカーの製品でコピックというマーカーがあります。


コピックといえば漫画描き御用達!て感じで、一時期プロアマ問わず漫画描きには必須!みたいな評価でしたが、最近はプロもアマもデジタルで色塗りする人ばっかりになってきて、メーカーの方も方針転換を迫られているのか、最近ではコミック用品としての売りだし方は大人しくなってきました。
そのかわりにメーカーでは近年アート・クラフト方面での売り込みに力を入れているようです。ホビーショーや手芸・アート系コンベンションにもコミック用品というよりアート・クラフト用品としてのプレゼンで積極的に出てくるようになったし、オフィシャルサイトでもコミック用品としての売りだし方はずいぶん大人しくなりました。
たとえば「大人のぬりえ」だったり「模型塗装」だったり、つまり「一点もの」を作る、というジャンルではやはりまだまだアナログツールが主体です。そして「スタンプアート」や「スクラップブッキング」でも、ちらほら使い始めている人が出てきているようで、ブログ巡りをしていてもスタンプアートの彩色にコピックを使っている人を見るようになってきました。単価が高いからスタンプマーカーに比べると色数を揃えている人はまだまだ少ないようですが。


かくいうわたくしはといいますと、


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どーん


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どーん


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どどーん



とまあこんだけ持ってたりするんだけどね!カラーレスブレンダーなんかボトルで買っちゃったもんね!←でも経年劣化でボトルが破損してしまい全部蒸発して無くなっちゃいました(笑)。
これはもちろんアート用に揃えたわけではなく、その昔若気の至りといいますか、ぶっちゃけ漫画の道具の一環として揃えたものです。でも実のところはこうなんつーか、実はわたくし画材オタクだったりするので、集める事自体が楽しくて、どんどん色を買い足しているうちにこんな事になっちゃったのです。数えてないけどたぶん200本くらいはあるんじゃないかしら。
あとはまあ、バブルの名残といいますか……。世の女子がブランド服買ったり海外行きまくったりしていたあの頃に、まるっきりインドア派オタクだったわたくしはアニメとマンガとゲームにばっかりお金をつぎ込んで、こんなもんばっか買い漁っていたのです。


がしかしですね。
せっかく持ってるのになんなんですが、コピックをアート作品特にスタンプアートやスクラップブッキングに使うのは、正直まったく、全然、気が進まないわたくしなのであります。
理由は簡単、
コピックはアーカイバルじゃないからです。


アーカイバルarchivalというのはarchiveの形容詞形で、長期保存に耐えうる、とかそんな感じの意味です。
手芸用スタンプインクの国内最大メーカーである「株式会社ツキネコ」のHPから引用すると、
用語解説 | 株式会社ツキネコ
アーカイバル
素材、インクなどが長期保存可能なこと。アシッドフリー(=酸を含まない)であること、耐光性・耐水性が強いこと、抗酸化性(酸化しにくい)であることが基本。
となっております。
アート作品ではこのアーカイバルであるという事が大変重要な要素なのですが、その点コピックは全くと言っていいほどアート向きではありません。
Too.com:コピック:FAQ 良く寄せられる質問
コピックは褪色しますか?
コピックは染料インクを使用しておりますので褪色いたします。
元来、染料はそれ自体褪色するものなのでこれは避けられません。程度としましては、水性の染料カラーインクなどと同等とお考えください。
コピックのインクは、多彩な色再現のために複数の染料を精密に調合しており、毎回生産段階でも微調整を加えているので色による強弱のデータは固定化できません。
また、調合してある各染料ごとの耐光性にも差があるために、自然褪色していく段階でも色味は変わっていくことがあります。
一般論で述べさせていただきますと、染料は特に紫外線による褪色が著しいものです。照射された紫外線量にもよりますが、数時間や数日で変質してしまうものもあれば、変質しにくいものもあります。
作品の保管方法は、できるだけ紫外線が強く当たる場所は避けて保管してください。
室内の蛍光灯でも紫外線は照射されておりますので、UVカットホルダー等をご利用いただけますと、気になる褪色を抑制していただくことができます。
メーカーのFAQにも明記してあるように、コピックは一般的な画材に比べると褪色が著しいのです。
これはコピックがもともと「画材」として生まれた道具ではないから、というのが関係しています。そもそもコピックはテキスタイルデザインやインダストリアルデザインなど諸々のデザイン現場で、大量にコピーした同一デザイン画に着色してカラーカンプ(簡易色見本)を作る為、速乾性でなおかつコピートナーを溶かさないマーカーとして開発された「デザイン用品」です。その為、アート作品向けの長期保存を前提とした成分にはなっていないのです。
コピックで描かれたものを長期保存する為の製品も発売されてはいますが、それも永久に効果を保障されたものではありません。
Too.com:コピック:FAQ 良く寄せられる質問
UVカットホルダー効果の寿命は?
製品自体は紫外線吸収剤がフィルムに練り込んでありますので安定性が高く、 一般的な屋内の使用環境なら10年~20年位は効果があります。
10年以上になる場合、個々の保管環境によって劣化の差が生じますので、残念ながら期間を特定できません。
10~20年も持つのなら充分なんじゃ?とお思いの向きもおありでしょうが、10~20年、って長いようでいて「保存性」という観点からだと結構短いんですよね。
特にスクラップブッキングでは、思い出の写真を長期保存する、というのが目的のクラフトアートですので、本気で長期保存を考える場合は文字通り「孫子の代まで」変色・変質しないツールを使用するのが大前提なのです。


ということで、個人的な印象としては、コピックはスタンプアートやスクラップブッキングをはじめとして、アートクラフト作品に使うにはあまりよろしくない道具だと思っております。
なんか長々と書いてしまいましたが要するに何が言いたいのかというと、


スタンプアートやスクラップブッキングにコピックを使うのは全くもって気が進まないんだけどだからといってまたわざわざスタンプマーカーを20色も30色も集めるのも気が進まないし、せっかく持っているんだからコピック使いたいけどでも道具としては全然アート用途のマーカーじゃないし、ああどうしようかなあ。


という話だったのでした。



Too コピック 25周年記念 36色セット【HTRC3】

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  • 出版社/メーカー: Too
  • メディア: おもちゃ&ホビー



Too コピック・アート スターティングキット【HTRC3】

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  • 出版社/メーカー: Too
  • メディア: オフィス用品



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